2014年12月4日
エルジン FK-1084-E
エルジンの通称「グランドエルジン」と呼ばれているモデルです。
ELGIN FK-1084-E
2003/06
自動巻き
200m防水
ねじ込み式リューズ
ブランドものの時計は普段使いにはもったいないので気楽に使える機械式時計が欲しかったことと、ムーブを取り出して構造を見たかったので購入しました。当時は工具を持っていなかったので裏蓋を開けることができませんでしたが。
針やインデックスのデザイン、「ELGIN」の字体、なにより「GE」の意匠、グランドセイコーを意識しているのは明らかです。そもそも「GE」が何を示しているのかどこにも記載されていなかったように記憶しています。「野暮なこと聞くなよ」ってことでしょうかw
購入後ちょっとだけ使った後は興味を失い、どこかにいってしまったのですが、最近になって十数年ぶりに発見しました。 にもかかわらず精度は上々です。
ムーブはおそらくミヨタ(MIYOTA)ではないかと思われます(自信はありませんが)。
ミヨタはシチズン系のムーヴ製造会社です。コストカットの鬼で安物時計の定番なのですが、中国製ムーブとは比べるのは失礼なほどの出来だと個人的には思っています。
ケースもしっかり作られています。ブレスのコマは無垢ですし、フラッシュフィットも無垢です。裏蓋にも高級感があります。針、インデックスも雑なところはありません。曜日表示も英語・日本語が選択できます。
もちろん難点もあります。まず文字盤の色が真っ黒ではなくグレーっぽいです。そのためちょっと高級感がそがれています。次にバックルがプレスしただけで安っぽいです。他が無垢なのになぜここだけプレスなのでしょうか。また写真を見てもわかるようにマークの位置がずれています。(どうして買うときにチェックしなかったのだろう?)
そして最大の難点がラグが長いことです。見た目のバランスが悪いだけでなく装着感も悪いです。
針やインデックスにしみが出来ているのは時の経過で仕方がないことなのでしょうか。
エルジン(ELGIN)という会社は元々はアメリカの時計メーカーです。1860年代~1950年代は懐中時計の名門メーカーとして名を馳せていました。
1960年代に時計部門は消滅し、商標が売却されました。その後どのような経緯をたどったのかは定かではないですが、現在は日本の山口県にある福本電機が商標権を保有し製造販売しています。商標権を保有しているのは他にも数社あるようですが(もしかしたら。福本電機は商標権を借りているだけかも)、日本でエルジンといったら福本電機を指すのが一般的でしょう。福本電機は「ELGIN USA」と表記して売っています。
製造国は不明ですが、実売価格からして中国・東南アジアあたりではないかと推測されます。
最近、「福本電機」は「定慧」という名前に変わったようです。名前からして中国企業に買収されたのでしょうか。
エルジンは有名メーカーをわかりやすく真似たデザインだったり、実売価格と乖離した定価設定だったり、腕時計好きの批判の対象になりやすいです。一方でオリジナルデザインがあったりソーラー電波時計を出したりと「パチモン・メーカー」と一言では片づけられない一面も見せます。時計の機能的レベルはそれなりにありますので、一部に固定ファンもいるようです。
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