郷愁に駆られて…
先日、テレビで伝統工芸を紹介する番組を視聴しました。その中で肥後守(ひごのかみ)を作っている職人の映像が」ありました。「まだあるんだ!」と感慨にふけり、ネットで調べると手ごろな値段で売られていましたので思わず購入してみました。
肥後守は子供のころの思い出の中にあります。とはいっても私が使っていたわけではありません。私が子供のころ既にカッターナイフが一般的になっていました。カッターナイフは居間にあった引き出しに収めてありましたが、隣には肥後守が並んでいました。
肥後守は父親が使っていたのですが、その父親自身も主に使うのはカッターナイフになっていました。ただし肥後守もたまに使っているのを目にしました。
実は私自身が子供時代に良く使っていたのはカッターナイフでも肥後守でもなく、下にあるような木のサヤに納まっているナイフでした。カッターナイフは切れ味が鋭すぎ、肥後守は折り畳みであることが怖かったのです。
売られている肥後守を見てみるといろいろな種類があることが分かります。大きさは豆・中・大・特大など、ハンドル(鞘)は黒・メッキ・真鍮、ブレードは全鋼・青紙割り込みなどです。「青紙」については「のみ」について書いた過去記事で説明していますのでそちらをご覧ください。高級品の中には白紙・青紙・黄紙などを割り込みにしたものもあるようです。
400円からといまだに手ごろな価格なのがうれしいです。もちろんテレビで紹介されたような職人が手作りしているようなものは1万円以上の高級品でしょう。
今回の購入にあたっては、子供時代の記憶をたどって最も近いと思われる「真鍮・大」に決めました。ブレード素材については推測するしかないのですが、現在売られているものは鞘を真鍮にするとブレード素材は青紙以上になります。父親が高級品を使っていたとは思えませんので青紙割り込みにしました。購入価格は1,200円ほどです。
外箱です。なかなか「うまい」デザインです。
刻印も良い味を出しています。ユーザー心理をうまいこと突いてきます。
反対側はあっさりしています。本来はこういうものでしょう。
長さは鉛筆と同程度です。
刃の部分が2層に分かれていて「割り込み」具合がわかります。(多分)
実際に使ってみての感想ですが、特に切れ味が良いとは感じません。ただ、鉛筆を削るのには十分です。聞くところによると研がない(新品)状態では本来の切れ味が出ないようです。
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