ジラール・ペルゴー ヴィンテージ1945(girard-perregaux vintage-1945)という時計があります。1945年発売のオリジナルを1995年に復刻したレクタンギュラー・ケースの上品な時計です。
発売当時から欲しいと思っていたのですが、当時は私も若かったためヴィンテージ1945の落ち着いたデザインはまだ似合わないと思っていました。欲しいと思い続けていたものの、いつも2番目・3番目だったので購入することはかないませんでした。現在は年齢を重ねて「少しは似合うようになったかな?」と思うのですが、値上がりにより手が出せる値段ではなくなってしまいました。
ちなみに同じくジラール・ペルゴーのヴィンテージ1960というクッションケースの時計も1998年に発売されています。こちらは1945よりもスポーティーで若者向けだったので買う寸前まで行きましたが結局、購入しませんでした。こちらも現在は購入不可能な価格になってしまったので、当時買っておけば、と思うことしきりです。
どうして関係ない時計のことを長々と書いたのかといえば、今回紹介するピエール・カルダンの時計がヴィンテージ1945にそっくりなのです。
ピエール・カルダン氏は何とまだ存命だそうですが、ブランドとしてのピエール・カルダンは今では地に落ちた(?)と言っても過言ではないでしょう。1960年代には一世を風靡したのですが1980年代以降、ファッションとは無関係な雑貨類にまでライセンスを乱発しブランドイメージが低下しました。
誰でも名前くらいは知っているブランドになったわけで、商売として必ずしも失敗ではなかったのかもしれませんが、一時は経営危機に陥り中国企業に買収されるという話もありました。多くのブランドで創業者がブランドを去る(時計業界でもよく聞きますよね)なか、現在でもピエール・カルダン氏はブランドにとどまっているようですし、ライセンス数も絞る方針で少しは持ち直しているのかもしれません。
というわけで、名の知れたピエール・カルダンがジラール・ペルゴーのパ○リを販売していたとしても個人的には不思議ではないかな?と思っています。アラビア数字にレイルウェイのインデックス目盛、なによりラグ周辺の意匠がヴィンテージ1945にそっくりです。手首に沿うようにケースが湾曲していないのが最大の相違点ですが、これはコストの兼ね合いでしょう。
まあ、自分にはヴィンテージ1945は買えないわけでして、5,600円で雰囲気の一部でも味わえれば良いかと考え、買ってみました。第一印象はやはり高級感には乏しい感じです。
ヴィンテージ1945より縦横比はスクエアに近いですし、何よりケースが湾曲していないことで雰囲気がかなり違います。一番ダメなのがガラスです。ガラスの角や縁のエッジが甘いので一目で安物だとわかってしまいます。また、インデックス目盛ですが円形であることがやはり残念です。ジラール・ペルゴーは円形の目盛もありますが、多くは角型です。
ラウンド以外のケース形状は大きさがイメージしづらいです。実際に測ってみたところ、縦35mm、横30mm(突起物を除く)でした。クロノグラフなのでちょっとゴチャついて見えます。もう数ミリ大きい方が好みですが、大きいとアラも目立つのでこのくらいに留めておいた方が良いのかもしれません。
金属ベルト仕様も革ベルト仕様と同じ値段で売っていました。金属ベルト仕様を買って革ベルトを買い足せば夏も冬も楽しめるので、いつもの私なら金属ベルトを買うところです。しかしこの時計の金属ベルトは写真でみてもハッキリわかるほど安っぽかったので革ベルトを選択しました。ベルトによってケース・文字盤の色が限定されますので、ケース・文字盤の色を優先させたのです。しかしこの革ベルトも相当安っぽいです。クロコ風の模様が付いていますが遠目に見ても型押しということがわかります。「GENUINE LEATHER」と書かれていますが本当に本革?と思うくらいビニールっぽい素材です。これを替えれば見た目の印象も変わるかな?
クォーツのクロノグラフをいくつか触るとそれぞれ違いがあることがわかります。このクロノはクロノ秒針のみモーター駆動、クロノ分針はギア駆動のようです。クロノ分針は計測時には少しずつ動き、リセット時にはカシャっと一気に戻るのでそうだと予想できます。ちなみに右小窓は24時間針でクロノ時針ではありません。
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