「よくわからないけど、何となく怖いもの」と何となく気になっている人も多いのではないでしょうか?身の回りの電磁波を測定してみました。
ちゃんとした磁場測定器は数万円、電場測定器は数十万円しますが、ネット通販だと数千円の「電磁波測定器」が売られています。聞くところによると、このような簡易測定器は「磁場」についてはそれなりに使えるが「電場」に関してはほとんどあてにならないという評価のようです。
私の場合は正確な測定値が必要ではなく、ある程度の「傾向」がわかれば十分なので、簡易測定器を買ってみることにしました。商品を見ていると「ELICKHILL」というメーカーが良さそうに思えました。おそらく中国メーカーですがオフィシャルサイトもあり、測定器を専門に扱っているのも好印象でした。
電界強度、磁界強度を測定できる機種の他に無線周波数測定ができるとうたっているものがあります。WiFi強度が測定できることを期待してそちらを選びました。Aliexpressではあまり安くなかったのでAmazonで6,200円ほどで買いました。
電源はリチウムイオン充電池です。個人的に単3あるいは単4乾電池が好みなのですが、この手の測定器だと9V角型乾電池が使われる例も多いので、それだったら充電池の方が良いです。
電界強度は不安定。手で持っている時と離した時とで測定値がまったく違います。手で持つと人体がアースの役割を果たすためと考えます。電界強度の測定にはアースが重要ということが良くわかりました。おそらく手で持った状態の方が正確に近いと思われるので、ここからは手で持った時の測定値を記載します。
いろいろな電化製品に共通して言えるのは使用していない状態でもコンセントに刺さっているだけで電磁波が発生していること。それから電化製品に触れるほど近い状態で高い値が出ていても、そこから30cmほど離れるだけで劇的に値が下がるということ。
これを踏まえると家庭電化製品は、普通に使う分には電磁波の問題は少ないことが実感できます。また、ホットカーペットや電気毛布など長時間・肌に触れる電気製品は問題が出る可能性が取りざたされていることも納得できます。我が家のホットカーペットは電磁波対策されているのがウリの商品でしたので、冬になったら確かめてみたいと思います。
無線周波数測定(RF)は全くの期待外れ。WiFiルーターに近づけると値が上がるので測定できていることは確かです。でもルーターから3mも離れると値がゼロになります。「この部屋のWiFi電波は弱いな」みたいな目安が付けられるかと期待したのですが無理でした。この機能が無い機種はこれの半値程度だったので、そちらを選べばよかったです。
さて、これを買ったらやってみたいこと、それは高圧送電線の下で電磁波を測定してみることです。
まず「塔マップZERO」サイトで近所の送電線を探し、自転車で向かいます。この送電線の電圧はわからないのですが、このサイトを参考にすると(碍子が17個確認できたので)154kVではないかと予想しました。
鉄塔の真下で測定しました。高さで結構値が変わるので頭の上くらいの位置での測定です。電界強度:354V/m。
磁界強度:0.65μT。
鉄塔と鉄塔の中間地点、送電線の真下に着ました。
電界強度:438V/m。鉄塔真下より値が高いのは送電線がたわんでいるせいで鉄塔と鉄塔の中間地点が一番地面に近いからだと思われます。
磁界強度:なんと!9.94μT。
ついでにRF:0.04mW/㎡。まわりは全て田んぼですので送電線の影響としか考えられません。
帰る際、送電線からどのくらい離れれば影響がないのだろうかと磁界強度を測定しながら歩いたのですが、0.42μTから下がりません。よく見たら道沿いに電線が!電線から離れたらゼロになりましたので普通の電線からも電磁波が出ていることがわかりました。
一旦鉄塔に戻ってやり直しです。結果、送電線から150m(後でGoogleMapで調べました)ほど離れたら影響が無くなることがわかりました。
J-POWERのサイトを見ると「送電線の下において、電界は0.1〜3kV/m、磁界は0.1〜20μTです」とありますので、今回の測定はそれなりに的を射ていると言えそうです。
では実際に人体への影響があるかどうかが問題なのですが、これは正直、わかりません。もちろん科学的に「問題無し」とされているので信じるしかないのですが、実際に自分で測定してみると…ね。個人的には長期間(1週間以上かな~)の滞在はしたくないです。
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