無線LANを直列に接続して離れた場所までLANを拡張しました。
我が家は道を挟んで母屋と離れに分かれています。
※最初に下の図(最終的な構成図)を見ていただくと後の説明がわかりやすいと思います。
元々はそれぞれにADSLを引いていたのですが、ある時期から母屋の回線をフレッツ光(100Mbps)に変更しました。私自身は離れに住んでいて、こちらも光にしたい願望はあったのですが料金の高さに躊躇していました。
そんな時「これだけ近いのだから母屋の回線にただ乗りできないだろうか?」と思いつきました。
無線LANの到達距離はおよそ100mと言われています。母屋と離れは直線距離で50mも無いと思うので理論上はいけるはずです。
有線も考えましたが、母屋と離れの間には市道があります。さすがに市道をまたぐのはまずいだろうと断念しました。
ちなみに母屋も離れも木造です。
まず、それぞれの家の向かい合った窓に無線LANルータの親機と子機とを設置し、接続してみました。
接続は成功しました。接続直後はそこそこなスピードが出ます。やった!と思ったのですがしばらくすると接続が切れます。最初は機器の不具合かと思いました。なにしろ親機・子機セットで2,000円しなかったものです。
試しに双方の窓を開けたところ切断されることがかなり減ったので、やはり電波が弱いことが原因で不安定になると判断しました。
窓を常時開けっ放しにしておくわけにはいかないので別の方法を考えます。
アンテナを分離して屋外に設置する方法を検討しました。ネットで検索すると製品そのものは存在するのですが法人向けで、とても一般の人が購入できる金額ではありませんでした。
母屋と離れの間には駐車場があります。ここを中継地点にする方法を思いつきました。幸い駐車場は屋根付きなので雨に当たりませんし電源もあります。壁もポリカの波板なので電波を通しそうです。
中継器を調べると手ごろな製品(Buffalo)がありました。ただし難点としては同じ周波数帯を共用するので 通信速度が半分になってしまうことです。
手元に機器が無いので購入して試してみるしかありません。ちょっとリスクが高いのでやめました。
※当時はこの製品しかありませんでしたが、現在はいろいろな会社の製品があり、上位と下位で別々の周波数帯を使用することで速度が低下しないものも発売されています。
次に考えたのが駐車場に子機を置いて、有線で離れに引き込む方法です。試しに開放した窓から有線を引き込んでやってみたら実に安定しています。速度的にもバッチリです。問題は室内への引き込み方法だけ。
一番確実でオーソドックスなのがエアコンの配管穴を利用する方法なのですが、残念ながらエアコンは家の反対側です。
次は「すきま用フラットLANケーブル」を購入し、サッシから引き込む方法。でもなかなかいい値段がします。レビューを見ると断線の報告がいくつかあり不安があります。
最終的に行き着いたのがルーバー窓から引き込む方法です。ルーバーの一番下のガラスとサッシが接する部分にはクッション材あります。このクッション材を切り欠けばフラットケーブルなら通りそうだしケーブルに変な力がかかることもなさそうです。
最終的な構成図が次のようになります。
ほぼすべての端末が無線接続ですので、離れで端末をインターネット接続する場合、
端末--<無線>--親機--子機--<無線>--親機--親機--CTU--ONU--フレッツ網--インターネット
となります。つまり無線LANを直列に2回通しているわけです。(表題の「無線LAN多段接続」はこの意味です。)
スピードが心配になりますが、速度計測サイトで調べると15~20Mbps程度出ていますので充分満足しています。
すべての端末のIPアドレスはCTUのDHCPから分配されます。つまり母屋も離れも同一セグメントに属します。
3つの無線LANルーターが2.4G帯を共有しているので混信が考えられますが思ったほどではありません。
一番の心配事は離れに引き込む部分のLANケーブルの耐候性です。屋外用フラットケーブルが見当たらなかったので屋内用を使用しました。北側なので長時間直射日光に当たることはありませんが、雨ざらしということもあり耐用年数は短いでしょう。設置してから2年ほど経ちますが今のところ大丈夫そうです。
速度については現状で満足しているので構成を変更するつもりはないのですが、屋外を飛ぶ無線部分は改善の余地がありそうです。
11ac(言い忘れましたが現状は全て11nです。)にすれば速度向上が見込めるのに加えて、一対一の接続で相手の向きが固定されていることから最近の機器に付いている「ビームフォーミング機能」がかなり有効なのではないかと思います。
また、使わなくなった衛星アンテナがとってあるので、このお皿を子機の後ろに設置すれば受信感度が上がるのでは?と素人考えもしています。
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