あまりメジャーとは言えない「ミドー」の腕時計です
ミドー。あまりメジャーでは無いメーカーですが、1918年創立(今年100周年!)のそこそこ歴史のあるスイスの時計メーカーです。とはいえブランパン(現存する世界最古の時計メーカー)の1735年は別格としても、オメガ1848年、ロンジン1832年などと比べてもまだまだひよっこですね、比較的近いところだとロレックスが1905年設立です。
第二次世界大戦やクォーツショックにおいても(調べた限りでは)休眠状態にならず存続していたことは誇れることではないでしょうか。ただし現在はスウォッチグループに所属しています。スウォッチグループ内の位置づけは「トラディショナル」で比較的低価格となっています。
100周年と言うことで記念モデルも発売されますが、やはり奇をてらわない伝統的なデザインです。日本市場においてはマイナーなミドーですが、2015年に日本再参入しましたので、これからに期待したいところです。メジャーなスイスメーカーは軒並み高価格帯にシフトしてしまいましたので、これから中堅どころとして人気が出るかも知れません。
ミドーというと有名なのが「マルチフォート」「コマンダー」などですが、今回の時計はダイバーズ「オーシャンスター」です。
MIDO OCEAN STAR TITANIUM
文字盤には誇らしげに「CALIBER80」と印字されています。もちろん搭載ムーブメントの名前ですが、スペックは[自動巻き・25石・2万1600振動/時・パワーリザーブ約80時間]などです。
「価格帯、スウォッチグループ、自動巻き、デイデイト」というキーワードから予想するとETA2836-2系かと思ったのですが、ミドーのために新設計されたムーブのようです。それほど売れているとも思えないミドー専用?と疑問に思ったので調べてみると、ETA2824系から振動数を落としてパワーリザーブを80時間に伸ばしたETAC07系というものがあり、そこから「CALIBER80」や、TISSOT「POWERMATIC80」、HAMILTON「H-10」などが派生しているようです。スウォッチグループ内でベース・ムーブ(ETA)を各メーカー向けに小変更しているものを思われます。CALIBER80にはクロノメーター規格やシリコン製ひげぜんまい採用のものもあるのですが、今回のオーシャンスターはさすがに違うようです。
振動数を落とした分、精度が気になる所ですが、私自身はあまり気にしない方なので満足しています。日差も測っていませんが2週間使い続けても誤差は感じませんでした。
「売り」のパワーリザーブ80時間ですが、ETA2824系のパワーリザーブは40時間前後ですから約2倍となります。金曜日夕方に時計を外して(週末は使わず)月曜日朝に再び付けるときまで動いているということですから、これはたしかに便利です。休日前は深夜まで活動するようなアクティブな人だったら3連休でも大丈夫かもしれません。
この時計、特に特徴のないデザインですが、そこが魅力でもあります。しいて特徴を言えばベゼルなどに配色されたオレンジ色くらいでしょうか。
ダイバーズ(ちなみに200m防水)ですがゴツく見せない地味なデザインが実用的な印象です。かといって安っぽくはありません。もちろん高級感は無いのですが、「緻密」な感じがします。この価格帯ですと普通はどこかに「惜しい」と思う部分があるものです。全体的に艶消しなのに一部だけポリッシュだったり、針だけ安っぽかったり(私の好きなロンジンのレジェンドダイバーがこれにあたります)するのです。この時計にはそのような「アラ」が無いので高品質な印象を受けるのです。
個人的には気に入らない点は大きさくらいです。ケース径は42mmなのですが、私は細腕なので大きすぎなのです。救いはダイバーズなのでベゼルのおかげで間延びしては見えないことです。大きいですがチタンなのでそれほど重くありません。逆に言うとチタンなのにその大きさゆえにそれほど軽くも無いということでもあります。
オーシャンスターにはステンレスモデルもありますが、価格もさほど違わないので私にはチタンしか考えられませんでした。最近は見た目がステンレスっぽいチタンもありますが、私はいかにも「チタン」の色をしている方が好きです。このあたりは好みですね。全体がほぼポリッシュ面が無い艶消しですので統一感があります。細かいことですが風防の無反射コーティングも優秀で、文字盤の砂目?と合わせて視認性は良好です。
裏蓋がネジ止めなのがちょっと不安です。サビが出たら嫌だな…と思います。 裏蓋の模様はヒトデです。このヒトデ、腕?の先が曲がっているせいで、見るたびにどうしてもスポンジボブに出てくる「パトリック」を思い出してしまいます。
ダイバーズでは2段階バックルが装備されていることが多いのですが、オーシャンスターは8段階でブレス長を調整できます。2段階バックルは日常使用にはまったく意味が無いのですが、これは普段の微調整にも使えそうです。(私の場合、コマの調整でしっくりきましたので必要なかったです)
バックルにボタンが2種類あるので、最初は外すときに迷いました。でもすぐに慣れて間違えることは無くなりました。
ブレスコマの固定はネジ式。ネジは緩む可能性があるのでピンの方が実用的なのですが、見た目は圧倒的にネジ式に軍配が上がります。
個人輸入したので8万円ちょっとだったのですが、正規輸入の価格でもコスパはかなり高いと思います。
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