高齢のため運転免許証を返納した父のための電動アシスト付き4輪自転車です。
購入に至った経緯は前回の記事をご覧ください。
車輪が小さい(14インチ)からか思ったよりコンパクトに見えます。実際、全長は普通のママチャリより短いです。
まず目に入ったのが4輪ディスクブレーキ。
テクトロのメカニカルディスクブレーキです。左手で両後輪、右手で両前輪にブレーキがかかります。効き具合は申し分なし。
左右のブレーキレバー根元にパーキングブレーキ用のポッチが付いていて、レバーを握った状態でポッチを押すとブレーキがかかった状態で保持されます。もう一度ブレーキレバーを握るとリリースされます。ブレーキレバーを握ったままポッチを押すのはちょっと慣れが必要なので、もう一工夫欲しいところ。
駆動するのは左側の車輪のみです。変速機構はありません。
アシストの強弱は3段階。(「切」を入れると4段階)
バッテリーは前。取り外しには鍵が必要。
バッテリーは25.2V/5Ah。一例としてヤマハ・パスのスタンダードモデルは25.5V/12.3Ahなので半分以下の容量です。
モーターはボトムブラケット直後。
車輪の幅はハンドルの幅より若干小さいので、思ったより気になりませんでした。
前輪の切れ角はこのくらい。やはり小回りは効きません。Uターンは厳しい。前輪はかなり重いですが後輪は意外と軽いので、Uターンするときは後輪を持ち上げて向きを変える方が手っ取り早いですが…高齢者には無理かな。
バッテリーと充電器。充電時はバッテリーにコードを接続する必要があります。メジャー・メーカー機のように「充電器にのせるだけ」とはいきません。
充電時間は2時間、走行可能距離は25kmです。いずれもカタログ値ですが、実際にこれに近い値が出るのなら十分でしょう。
重量は26kgと思ったほど重くはありません。アルミフレームということも効いているのでしょう。例えばヤマハの電動アシスト付き3輪車「PASワゴン」は29.3kgあります。乗った印象も「軽快」と言ってよいほどで、重さを感じさせません。
車輪の径が小さいと段差を超えるときなど非常に怖いですが、さすが4輪の威力は絶大。安定していて怖さは感じません。怖いのは左右に勾配があるとき。車体ごと体が傾くので本能的に体重移動で立て直そうとするのですが、それができないのでパニック状態になります。正解はハンドルをしっかり持ってまっすぐを保持すること(そうそうひっくり返りません)なのですが、普通の自転車に慣れている人ほど戸惑うのです。慣れるのでしょうか?ちょっと不安になります。
電動アシストについてはかなり不満です。アシストの有無はどうやらスピードだけで制御しているようで、ある程度の速度以上でアシストが始まります。上り坂であっても同じです。しかもアシストの始まりが乱暴で、ある速度になると唐突に「ヴィィィーン」と唸りを上げてモーターが動き出します。
私は電動アシスト自転車に乗ったのは試乗した1回だけなのですが、その時は漕ぎだしからアシストしてくれましたし、アシストの強弱ももっと繊細に制御されていたように記憶しています。
歩くくらいの速度だとアシストが効きませんし、本当にアシストが欲しい上り坂でも同じです。この自転車の用途から考えると歩くくらいのスピードで十分、それ速度は出さないでしょうから、そう考えるとアシストはいらないのでは?と思ってしまいます。
細かいところだと、ヘッドライトは乾電池式です。せっかくバッテリーを積んでいるのだからそこから電気を取ってほしいです。また、自転車の盗難防止機構が無いです。ママチャリのリングロック程度の物は用意して欲しかったです。カゴももう少し大きくしてほしいところ。あと、形状的に仕方がないのでしょうが、自転車から降りて押して歩くのは(できないわけではないですが)難しいです。なぜかというと足が後輪にぶつかるからです。
全体的に見て、やはり小規模メーカーならではのツメの甘さというか作りの粗さが目立ちます。歩くくらいの速度ではアシストが聞かないというのは致命的な感じもしますが、アシスト無しでも軽く漕げるのが救いになっています。
30万円という価格についてはハード面だけ見ると割高だと思いますが、納得はしています。他に代わるものが無いので。ちょうど今、高齢者の運転ミスによる事故→運転免許返納が社会的に話題になっています。もう少ししたら選択肢が増えてくるかもしれません。
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