2015年4月9日

基礎時計読本


かつては時計修理師になるためのバイブル的な本の一つだったようです。


著者:小林敏夫
出版社:グノモン社
初版:1967年

機械式時計に興味を持ってから構造についても勉強したくなりました。
以前は時計修理師が大勢いましたので時計の構造や修理方法について記載されている書物が存在しました。特にグノモン社のものはバイブル的な扱いを受けていたようです。しかし現在では売られていません。以前に出版されたものは絶版となりオークションでは高値で取引されています。

さすがにプレミア価格で手を出すほどの情熱はありませんでしたので指をくわえて見ていたのですが、2004年になってラ・テール出版局から復刻版が出版されました。5,000円という高めの価格ですが専門書なので仕方がない所ですしオークション価格からははるかに低い価格です。さっそく購入しました。

この本の中身ですが目次を見て分かる通り、時計の歴史書の様相です。実践的ではなく理論的な話が続きます。時計修理師専門学校に入校して初めに使用する教科書にぴったりです。

この本では修理の技術は習得できませんが、基礎理論を習得しているのとしていないのとでは技術の深みが違ってくるのでしょう。例えば「歯車のこの部分はこの角度」ということだけ知っていれば修理はできますが、「なぜこの角度なのか」を知っている人と知らない人との違いといったところでしょうか。

数式なども出てきますので素人の私が見ても正直さっぱりわからない部分が多いのですが、読み物として見るだけでも面白いです。








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