機械式(に限らないのですが)時計には人工ルビーや人工サファイアなどの石が使われています。石は金属の摩耗を防ぐ役割をしますので時計の耐久性にかかわります。基本的にはグレードの高い時計には多くの石が使われています。
具体的にどの部分に使用されているのかと言うと以下の写真(標準時計技術読本から)を参考にしてください。
・テンプ:穴石×2、受け石×2、振り石×1
・アンクル:ツメ石×2
ここまでが最低条件です。7石ということですね。さらに上記に加え
・アンクル、ガンギ車、四番車、三番車:穴石×2
となり、合計15石となります。手巻きの場合、17石が多いのですが、この場合、
・ガンギ車:受け石×2
・二番車:穴石×2
のどちらかを追加する場合が多いようです。
後はそれぞれの輪列に穴石あるいは受け石を増やしていくことになるのですが、何れにせよ歯車の軸は両側にありますので石は2つずつ増えていきます。これは石の総数は奇数となることを意味しています。実際、世の中の時計のほとんどは奇数ですが、もちろん例外はあります。
例外があることは予想できるのですが、あるメーカーの時計はほとんどが偶数です。そのメーカーがオリエントです。これはたまたま私の所有している時計のうちで偶数なのがオリエントだけだったというだけで、他にもあるのかもしれません。オリエントは手巻きと自動巻きどちらも所有しているのですが、どちらも偶数でした。
なぜオリエントが偶数なのだろうかという疑問ですが、結果から言うとネットで検索しても理由はわかりませんでした。従ってここからは想像の域を出ません。
ネットで調べるとオリエントでもスモールセコンドの時計は奇数が多いようです。そういえば私の所有しているオリエントは全てセンターセコンドでした。となるとオリエントも基本となるスモールセコンドは他と同じで、センターセコンドへ変更する部分にキモがありそうです。センターには既に分針・時針がありますので、そこに秒針も持ってこようとすると歯車が階層構造になります。このつなぎ目に石を置くか置かないかがの違いではないのでしょうか。
ただし、ここで新たな疑問が。他社は秒針の位置に関わらず奇数なのはどうしてなのでしょうか?
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