2015年5月8日

インターネットラジオ grace digital Innovator X


インターネットラジオ専用機 grace digital Innovator X のレビューです。


私の場合、音楽は集中して聞くことは無く、何かの作業時にBGMとして聞くことがほとんどです。ジャンルにもそれほどのこだわりは有りません。FM・AMラジオも好きなのですがどちらかと言えばパーソナリティーのおしゃべりは無く淡々と曲を流してくれた方が好みです。

そこで今まではインターネットラジオをパソコンで流していました。パソコンの場合、選局が簡単なのは良いのですが音質が悪すぎます(ノートPCを使用しています)。またパソコンの消費電力もわずかとはいえもったいない気がしますし、起動・終了の面倒くささ、ファンの音も気になります。

そこでインターネットラジオ専用機が気になり出しました。
機種選定は以下のような条件を付けました。

・据え置きなのでLANは有線でも可だが無線なら部屋を移動できるので好ましい。
・据え置きなのでAC電源で良い。ただしACアダプターは出来れば無い方が良い。
・気に入った局を見つけたら移動することは少ないので操作性は悪くても良い
・音質は小型ラジカセ程度のものは欲しい。
・BGMなのでモノラルで良い。

ネットの情報を元にいくつか候補を上げました。

・Aigo クラウドプレイヤー MP6
・Grace Digital GDI-IR2600 Innovator X
・Grace Digital GDI-IRC6000 Mondo
・Logitech Squeezebox

ロジテックは有名メーカーですしユーザーも多く評判も良いのですが、唯一の難点は価格です。2万円以下にしたかったので断念しました。

Aigoは5,000円以下と格安ですが評判が悪いです。接続先が独自サーバーというのも気になります。音質も悪そうなので、安物買いの銭失いとなりそうです。

Innovator Xは価格は1万円ほどでレビューは少ないながらも好評価です。特に音質が良いとのこと。難点は液晶ディスプレイが小さく操作性が悪いことです。最終的にはこれに決めました。
Innovator XはAmazonのマ―ケットプレイスで10,250円で購入しました。個人輸入も考えたのですが1,500円ほどしか安くならなかったので止めました。

MondoはInnovator Xの上位機種で液晶ディスプレイがカラーで大画面です。操作性はよさそうなのですが、価格差を考えるとInnovator Xに軍配を上げました。

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大きさ:241x109x130mm
重さ:1.2Kg

grace digitalはアメリカの会社ですが、製造国の記載はありませんでした。筐体はさすがに高級とは言えませんが、落ち着いたデザインで質感はそこそこ高いです。


近年のデジタル機器は低電圧駆動で電源部が小さいですし、基板にしても1チップだったり素子数がすくなかったりで持ってみると異様に軽いものが多いです。その点、これはある程度重さがありますので私のような古い人間には好印象です。


スピーカーは外観から想像するよりも小さ目な7.5cmフルレンジユニットが一つだけです。もちろんモノラルなのですが音質は想像以上に良かったです。裏側にバスレフポートが付いているせいかそこそこの低音がでます。エンクロージャーが木製(MDF)なのも効いているかもしれません。高音はそれなりですが無理して出している感じが無く、豊かで厚みのある音質と言ったら言い過ぎでしょうか。(人によって期待値が違うでしょうから、あくまで個人的に、ということです。しかし窓から投げ捨てたくなるような音質でないことは断言できます。)

取扱説明書は英語のみですが難しいことは無いです。WIFIの設定もSSIDを選んでパスキー(WPA2ーAESが使えます)を入力するだけなので簡単なのですが、私の場合、キーを長くて無意味な文字列にしているので入力がかなり面倒でした。一文字一文字をダイヤルでシーケンシャルに選択するので行ったり来たりで時間がかかりました。各種設定はアプリからはできませんので本体をちまちま弄る必要があります。

電源がACアダプタなのが好みではないのですが、各国の電源事情に対応させるためには仕方がない所です。


ダイレクト選局ボタンが5つ、shiftキーとの併用で10局まで記憶できます。少ないというレビューも多いのですが個人的には十分です。アプリからは23局まで登録できます。

一度設定すれば後は簡単、最後の選局を覚えているので電源を入れるだけです。高齢者へのプレゼントでも大丈夫でしょう。

コンセントに繋いでいると本体電源を入れなくてもWiFi接続されています。この状態ではアプリから電源も入れられて便利なのですが、液晶のバックライトも光っていますし無駄な感じがしますので普段はコンセントから抜いています。時計は日本時間にはなりません。タイマーが機能がありますが、時刻は自分で日本時間に換算しなければなりません。


コンセントを繋ぐと使用可能になるまで(本体電源ONにはなりません)約1分弱かかります。WIFIの接続に若干、時間がかかるようです。
コンセント接続状態から本体電源ONで音が出るまでは局や回線状態にもよりますが約10秒弱です。バッファリングに時間がかかります。



外部入力端子(AUX)があります。この音質でしたらiPhoneの外部スピーカーとして使用してもそこそこ使えるでしょう。外部出力端子はありませんがヘッドフォン端子から出力することが可能です。端子はステレオですがデフォルト設定ではモノラル出力となります。以下の手順でステレオへの設定変更が可能です。
Settings→Headset/Speaker setup →Headset/Speaker-Stereo

スマホアプリが非常に使いやすいです。iOS・androidどちらも正規ストアから入手できます。アプリでできることは単なるリモコンの機能(電源・選局・音量)のみなのですが広い画面で一覧から選局できるのは非常に楽です。これがあれば上位機種のMondoにする必要性は感じられません。(あくまで操作性に関しては)



専用リモコンが付属してきましたがスマホアプリが便利なので使用したことはないです。


私は経験が無いのですが、一部レビューにハングする報告がありました。確かではないという注釈つきですが、電源プラグを抜き大きい回せるボタンを押したまま電源プラグを挿すと復帰するという報告もありました。

最新ファームが公開されると電源投入時にメッセージが出てきます。指示に従えばPCが無くてもファームアップできますので便利です。


総評としてはかなり満足しています。私が購入したのがおよそ2年前なのですが、それから円安の影響でかなり値上がり(約17,000円)してしまったようです。しかし私なら今の価格でも「買い」だと思います。購入時には「もう少ししたらもっと良い製品が安く出てくるだろう」と予測していたのですが未だその状況に無いようです。もっと人気になって不思議ではないのですが、認知度が足りないのでしょうね。

この機種は未だに現役でラインナップされています。息の長い製品で最近でもきちんとファームアップされていることも好印象です。

マニュアル記載スペック・802.11b/g/n WiFi
・Class-D digital amplifier
・89dB S/N ratio
・Audio output: 8 Watts, 8ohm speaker
・Frequency response: 120Hz – 15KHz ± 3dB
・128 x 64 dots display
・29-Key remote control
・100-240V,12V 1.2A switching power adapter
・Built-in with LED Status Indicator Safety Measurements




2 件のコメント:

  1. 2024年現在 購入したいと検討してますが ネット配信を終了して今では聴けないとの情報がありますが 同なんでしょうか?

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  2. ちょうど先日電源を入れてみたのですが、WiFi接続ができなかったので廃棄してしまいました。この機器は登録されているラジオ局の一覧をもとに個々のラジオ局を受信する仕組みだったように思います。この一覧が現在は配信されていない、あるいは一覧は配信はされているが登録されている局データが古いと受信できない可能性があります。自分で探してきた局を一覧に登録できるという情報を昔聞いたことがありますが、やったことはありません。

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