2016年9月29日

ベッセル ワイヤーストリッパー


使う前はバカにしていましたが、実際に使ってみると目から鱗でした。


VESSEL ワイヤーストリッパー 3700M

電線の皮むきですが、かなり昔はニッパーを使っていました。電線の太さに合わせてニッパーの閉じ具合を調整したりしていましたが、やはり中の銅線を切ってしまう確率が高かったです。
その後カッターナイフを使うようになりました。元々器用な方だったのでカッターを使うようになってからは中の銅線を切ることはほとんどなくなりました。しかしこの方法ではいかんせん数をこなすことはできません。

そんな時にこのようなワイヤーストリッパーを見つけました。


以前はこのような↓タイプしか見たことが無かったので格好良さに惹かれて購入しました。



でも性能については期待していませんでした。「俺が手(カッター)でやった方がうまいに決まっている」と自信満々です。ところが使ってみて目から鱗、スバラシイです。一番重要な中の銅線を切ることがほとんどありません。切った被覆を抜いてくれるのも便利です。

何より平行線の皮むきが便利です。ニッパーやカッターでは平行線を切り分けて単線にしてからでないと皮むきできませんが、これはそのままでOKです。

数をこなさなければならない時には便利を通り越してこれが無いとやっていられません。本当に一瞬で皮むきできますので。というわけで今まで馬鹿にしていて御免なさいと謝りたくなるほど良い工具です。

電線の太さに合わせるダイヤルがあります。このダイヤルによってグリップを完全に閉じたときの刃の隙間が調整されますので中の銅線を切ることが無くなるわけです。秀逸なのはこのダイヤル位置が適当(いいかげん)でも中の銅線を切ることがほとんど無いことです。


口の中にある赤いパーツをスライドさせることで剥く長さを調節します。普段は目分量で調節しますので使うことは無いのですが、長さを正確に揃えたい場合には便利です。


この部分にカッターが付いています。グリップを握ると刃が出てきます。使いやすいとは言えませんが工具を持ち替えるのが面倒なときには便利です。


フリーの状態ではこうなります。


グリップを途中まで握りこむとこのようになります。被覆が切断されます。


グリップをさらに握りこむと口の閉じ具合はそのままに刃が奥にスライドし、皮むきが行われます。

グリップを最後まで握りこむとこうなります。口が開いて電線や剥かれた被覆がフリーになります。唯一の欠点が剥かれた被覆を保持する機能が無いことです。ガチャンという反動で被覆がどこかへ飛んで行ってしまいます。


さて、ラベルを見るとちょっと気になることが書いてあります。「ABECO」?「ENGLAND」?
ベッセルは知っての通り日本のメーカーです。


「ABECO」でググってみると以下のサイトがヒットしました。 
WELCOME TO ABECO Ltd HOME PAGE

ペラ一枚の簡素なホームページですが、こちらがABECOのオフィシャルサイトのようです。書かれている文章を読むと1957年創業の英国の工具メーカーということです。「high quality specialist hand  tools and machinery including wire stripping and cutting tools」とも書かれています。ワイヤの皮むきと切断の専門メーカーなのですね。こんなニッチな工具メーカーが現代に生き残っているというのはさすがヨーロッパです。特に面白いのは「wire stripping and cutting」の部分です。普通なら「cutting」が先に来るのではないでしょうか?「stripping」が先に来るのはいかにワイヤーストリッパーに自信がある(主力製品)ということかがうかがえます。おそらくニッパー等のワイヤ切断工具は競合が多すぎて商売にならないのでしょう。

さて日本に戻ってベッセルのホームページを見てみます。するとワイヤストリッパーは先に挙げたペンチ形状のものか以下↓のようなよく見るタイプしか無く、私の持っているタイプが無いことがわかります。過去一時期だけラインナップを増やすためにABECOのものをOEM販売していたのではないかと想像されます。



他社を見まわすとABECOタイプのものもいくつか見つかりました。少なくとも見た目はこっちの方が格好良いですね。





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