BAUME & MERCIERは1830年創業の意外と(と言っては失礼ですが)歴史のある時計メーカーです。その割には知名度が低く他のスイス勢と比べると価格が相対的に安いです。
2006/08
BAUME & MERCIER CAPELAND MVO45216
自動巻
100M防水
クロノグラフ
ケース径約39㎜
もちろんですが以前はムーブから制作していました。しかしながら現在はムーブは他からの調達にとどめ、外装のデザイン・品質で勝負するメーカーになりました。
いわゆる「ETAポン載せ」ですが、とにかくデザインが秀逸です。価格も同じくポン載せの宝飾メーカーのような法外な価格ではなく、品質を考えるとリーズナブルといっても良いような値段です。
リシュモン・グループの一員ですのでグループ内で他メーカーと被らない立ち位置が求められます。その意味でグループ内の時計としての本質を極めるメーカー(ランゲ、バシェロン、ルクルトなど)と、宝飾系メーカー(ビアジェ、カルティエなど)との間でバランスを取らなければなりません。
個人的にはうまくやっているのではないかと思います。
他の人が着けていないオシャレな時計が欲しい層に、宝飾系メーカーには手が届かないけれどもこれなら背伸びすれば手が届くと感じさせる価格で。絶妙な位置づけに成功しているのではないでしょうか。
ちょっと前になりますが、雑誌の記事(提灯記事かもしれませんが)で「フランスでは非常に認知度・人気度が高い」とあり、なるほどと思った記憶があります。
どのモデルも非常にデザインセンスが良く、実物を見るとケース・ブレスの作りもとても良かったです。コストパフォーマンスに優れていると感じました。(購入当時です。今は?)
ただ最近はサイズは大きくなり、ムーブもラジューペレやデュボアデプラなどのチューンアップメーカーのものを載せるようになったりして値段も上がっているようです。
ちょっと高級な方向へ寄り過ぎではないかと思っています。
さて、やっとここからこの時計についての話ですが、黒とグレーのクールなツートンカラーが最大の魅力です。ツートンカラーと言うとロレックスのデイトナのようにスポーティーな方向へ持っていくのが普通ですが、これはエレガントな雰囲気にまとめていて大人の雰囲気を感じさせます。
ケースサイズが39mmと控えめな所も好きです。
黒とグレーの配色が逆バージョンもあり、これも非常に良いです。
同じデザインで3針もありましたが、ちょっとシンプルすぎるかな、という印象でしたのでクロノにしました。つまり機能としてクロノグラフをチョイスしたのではなく、デザインのみを考慮した結果です。
インデックスのアラビア数字も優雅なフォントを採用しています。
リューズの形状の雰囲気に合っています。一見使いにくそうなリューズ形状ですが、サイズが大きいので使いにくいということはありません。
ケース・ブレスもそつなくしっかりと作られています。「価格からすれば」という但し書き付きであれば「高級」といって差し支えないと思います。
その分、重いです。コマの増減でしかサイズ調整できませんのでピッタリ合わない場合には気になるでしょう。幸い私の場合はちょうど合いましたし、ケースとブレスが両方とも重いのでバランスが取れているせいか装着感は悪くありません。
バックルは現在主流のプッシュ式でないので外すのがちょっと大変ですが、これは完全にバックルが隠れるデザインにしたかったためでしょう。その効果は大きく出ていると思います。
ムーブメントは言わずと知れた ETA Valjoux 7750 です。高トルクによる高精には定評があり、モジュール構造によるメンテナンスのしやすさに定評があります。このムーブのせいなのか不明ですが腕を動かしたときにローターの動きを感じられるのは私の持っている時計の中でこれだけです。ローターが片巻上げだからでしょうか。
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